ICP Tutorial 01

ICP Tutorial:第1回 ICPとは何か

<<はじめに    チュートリアル第2回>>

ICPとは何か

(チュートリアルは暫定版です。最新情報に合わせて随時更新をする予定です。)

この項では、ICPの概念と設計について解説いたします。もし「すぐにICPを使ってキュレーションを作りたい!」という場合は、次項「CODHサイトからICPを使ってみる」へ進んでください。

キュレーション概念、Curation APIとICP

ICPは、IIIF(International Image Interoperability Framework・トリプルアイエフ)の拡張に基づいて、人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)が構築する、画像研究のための情報基盤です。ICPはIIIFの世界に「キュレーション」という概念を導入しました。

キュレーションとは、アート分野などで使われる用語です。展覧会などにおいてテーマを決め、そのテーマに沿って作品を集め、テーマが伝わりやすいように順番や配置を考えて、会場全体を組み立てることでメッセージやストーリーを伝えることです。ミュージアムの学芸員のことをキュレーターと呼ぶことがありますね。

ICPはIIIFで公開されている画像を使って、キュレーションを行うことを可能にします。ICPの大きな特徴は、画像の提供者ではなく利用者がキュレーションを行える仕組みを提供している点にあります。

IIIFではIIIF Presentation APIを使って複数の画像をまとめ、追加情報を提示することもできます。しかし、IIIF Presentation APIでは各情報ノードのリンクはManifestを出発点としますので、新たに情報を追加するにはManifestそのものの修正が必要となります。Manifestは画像提供者が用意し公開するものですので、利用者が新たに情報を追加することができません。

利用者がキュレーションを行い、新たに情報を付加するためにCODHが提案しているのが、Curation APIです。Curation APIはManifestに対してリンクを行い、そこに情報を追加して集約する事ができます。

ICPはこのCuration APIを活用することで、利用者主導型でIIIFをキュレーションする環境を提供しているのです。

Curation API & IIIF Presentation API

ICPのコンポーネント

ICPは5種類のクライアントと、2種類のサーバから成り立っています。それぞれのコンポーネントについては詳細なドキュメントが準備されていますが、ここでは簡単に各コンポーネントの働きを紹介いたします。

(1)IIIF Curation Viewer(ICViewer)

ICViewerはIIIF画像閲覧のためのビューワで、シンプルかつ拡張可能なデザインをコンセプトとしています。
キュレーション作成機能が特徴で、画像全体または選択した矩形領域を「お気に入り登録」のようにキュレーションリストに登録し、ローカルに保存したりWeb上で共有したりすることが可能です。さらに登録したキュレーションにはメタデータを付与することもできます。
具体的な操作方法については「CODHサイトからICPを使ってみる(IIIF Curation Viewer)」を参照して下さい。

(2)IIIF Curation Finder(ICFinder)

ICFinderは作成したキュレーションを検索するためのコンポーネントです。検索ボックスにキーワードを入力することで、部分一致するメタデータを持ったキュレーションを一覧表示することができます。
また登録したメタデータを一覧化し、出現頻度を表示する機能を持っています。一覧からメタデータを選択することで、完全一致するキュレーションの検索を行うこともできます。
さらに、検索した結果を組み合わせることで新たに派生的なキュレーションを作成することもできます。
具体的な例については「ICPを使ったキュレーション活用例の紹介」の「顔貌コレクション」を参照してください。

(3)IIIF Curation Manager(ICManager)

ICManagerはICViewerやICFinderで作成したキュレーションを管理するためのコンポーネントです。ICManagerにログインすると、過去に作成したキュレーションが一覧表示されます。
キュレーションのダウンロード、削除、リスト掲載/非掲載の決定を行える他、次に説明するICEditorを呼び出すことができます。
具体的な操作方法については「CODHサイトからICPを使ってみる(IIIF Curation ManagerとIIIF Curation Editor)」を参照してください。

(4)IIIF Curation Editor(ICEditor)

ICEditorはキュレーションを直接編集するコンポーネントです。ICViewerではキュレーションに登録された各キャンバスのメタデータを編集できますが、ICEditorを使うことで、そこでは編集できないキュレーション全体のメタデータも編集可能です。
簡易的なスキーマチェック機能を有しており、ルールに違反した修正に対しては警告が表示されます。このことで破壊的な変更を防ぐことができます。
具体的な操作方法については「CODHサイトからICPを使ってみる(IIIF Curation ManagerとIIIF Curation Editor)」を参照してください。

(5)IIIF Curation Player(ICPlayer)

ICPlayerはキュレーションを自動コマ送りする閲覧画面を提供します。自動コマ送り速度の変更や、説明文の表示など基本的な機能を有しています。
キュレーションを使った展示や教育での利用を想定しています。

(6)JSONkeeper

JSONkeeperは、JSON形式のデータを扱うためのJSONストアです。ICPではキュレーションの情報をCuration JSON形式データとして管理しますが、そのストアにJSONkeeperを利用しています。

(7)Canvas Indexer

Canvas Indexerはキュレーションに付与されたメタデータを取り出してインデックス化し、検索可能にするためのソフトウェアです。ICFinderの検索機能を支えています。


これら7つのコンポーネントが連携してICPを動かしています。とはいえ、単にキュレーションを行いたいだけであれば、すべての機能を完全に理解する必要はありません。

次項では、CODHサイトに設置されたデモ版を使って簡単にキュレーションを作成する方法を紹介いたします。

<<はじめに    チュートリアル第2回>>