ICP Tutorial 02

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ICP Tutorial:第2回 CODHサイトからICPを使ってみる(IIIF Curation Viewer)

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CODHサイトからICPを使ってみる(IIIF Curation Viewer)

(チュートリアルは暫定版です。最新情報に合わせて随時更新をする予定です。)

この項と次項では、CODHのWebサイトで提供されているデモ環境を利用します。実際にキュレーションを作成し、管理・修正を行っていきましょう。

これからの2回の内容を理解することで、作成したキュレーションを公開・共有することができるようになります。

(1)ICViewerデモ版にアクセスする

ICViewerデモ版はhttp://codh.rois.ac.jp/software/iiif-curation-viewer/demo/で公開されています。アクセスすると以下のシンプルな画面が表示されます。

IIIF Curation Viewer

(2)ログインする

ICViewerはログインしなくても利用できます。しかし、ログインした状態で利用することで、作成したキュレーションをICManagerで管理することが可能になります。またログインしない状態で作ったキュレーションは、誰でも修正が可能な状態に置かれるので、独自のキュレーションを作って共有したいという場合はログインしての利用をお勧めします。

次回のチュートリアルでも認証機能を利用しますので、まずはログインをしてみましょう。画面右上に表示されているログインボタンを押すと、ログインに利用するアカウントを選択するボタンが表示されます。デモサイトでは、Google、Facebook、Twitter、メールアカウントとパスワードを使った認証が可能です。

Log in Button

(3)ICViewerにManifestを読み込む

ログインが済んだら、キュレーションするManifestを読み込んでみましょう。いずれかのサイトで公開されているManifestをICViewerへドラッグアンドドロップするか、ICViewerのURL末尾にManifestのURLを追記することで読み込むことができます。

例えば日本の古典籍(江戸時代以前に発行された出版物)のデータベースである「新日本古典籍総合データベース」では、IIIF対応しているコンテンツについては画像の下にManifestのURLとIIIFアイコンが表示されています。今回は、そこに掲載されている『浦島太郎(浦しま)』を例として説明をしていきます。IIIFアイコンをICViewerへドラッグアンドドロップしてください。

IIIF Manifest

Manifest drag and drop

URLを直接追記する場合は"http://codh.rois.ac.jp/software/iiif-curation-viewer/demo/?manifest=https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/200017771/manifest"というように、?manifest=に続いてURLを記述してください。

(4)ICViewerで画像を閲覧する

Manifestが読み込まれると、画面最上部に資料の名称が現れ、画面中心に画像が表示されます。ICViewerは基本的なビューワ機能を搭載しているので、その機能を確認してみましょう。

IIIF Curation Viewer UI

画像表示領域の左側にある+ボタン、-ボタンで表示されている画像を拡大・縮小できます。拡大・縮小はマウスホイールの操作によっても行うことができます。拡大縮小ボタンの下にあるのは全画面表示ボタンです。

『浦島太郎』のように、複数の画像を含むManifestを読み込んだ場合は、画面左上部の前・次ボタンでコマ送りを行えます。前と次の間にある数字をクリックするとドロップダウンメニューが表示され、コマ数を指定して直接移動することができます。

サムネイル一覧ボタンを押すと、Manifestに指定されている閲覧対象のサムネイルが表示されます。ここでサムネイル画像を選択することでも、対象のコマに直接移動することができます。

(5)画像を選択してキュレーションリストに登録する

ではいよいよキュレーションを行っていきましょう。キュレーションしたい画像を表示した状態で、画面右上部の「☆」ボタンを押すと、「★」に代わります。簡単ですね。これで表示されている画像がお気に入りとしてキュレーションリストに登録されました。

Put into Curation List

キュレーションリストに登録されている内容は、一つ右隣の「キュレーションリストを表示」ボタンから確認できます。このボタンを押すと、現在キュレーションリストに登録されている画像一覧がサムネイルで表示されます。この登録した画像一つ一つは「キャンバス」と呼ばれます。

この一覧画面では、登録した画像を削除することや、ドラッグアンドドロップで順番を入れ替えることも可能です。

Curation List

(6)画像の一部を選択してキュレーションリストに登録する

次に画像の一部分のみを選択してキュレーションをする方法を説明します。ここで利用するのは画像表示領域の右に配置されている「■」ボタンです。

「■」ボタンを押すと、マウスポインタ―が「+」表示に代わります。この状態で画面内をドラッグすることで、矩形選択することが可能になります。選択した範囲は青色の半透明ボックスで囲まれた状態になります。範囲を修正したい場合は、「■」ボタンのあった場所に新たに表れる「領域選択を修正」ボタンを、取り消したい場合は「ゴミ箱」ボタンを押してください。

Put into Curation List

この状態で「☆」ボタンを押すことで、選択範囲のみをキュレーションリストに登録することができます。「キュレーションリストを表示」ボタンを押すと、選択範囲だけのキャンバスが追加されていることを確認できます。

Curation List

(7)複数の資料を横断してキュレーションする

ICViewerのキュレーションは複数のManifestを横断して行うことができます。ここでまた別のManifestを読み込んで、キャンバスをキュレーションリストに登録してみましょう。

(3)の要領で新たなManifestを読み込んでください。これまでキュレーションした内容は記憶されています。ここでは例として、同じタイトルですが別作品である『浦島太郎(浦嶌太郎)』を読み込んで見ましょう。

新たなManifestの好きな画像を表示、または矩形選択し「☆」ボタンを押しましょう。キュレーションリストを確認すると、複数のManifestからキュレーションしたキャンバスがすべて表示されていることが分かるでしょう。

Curation List

(8)キュレーションをエクスポートする

では作成したキュレーションを保存しましょう。デモ版ではCODHが準備したサーバにキュレーションをエクスポートすることができます。キュレーションリストを表示し、リスト下部の「エクスポート」ボタンを押して下さい。

Export Button

キュレーションがエクスポートされると、自動的にキュレーション結果が読み込まれます。画面左上を見てください。今まで作品名(浦島太郎など)が表示されていた部分に(Curating List)と追記されていることが分かりますね。また「サムネイル一覧」が「ピックアップサムネイル一覧」に変化しています。また「資料ナビ」と「元資料閲覧」ボタンが増えています。

URLもhttp://codh.rois.ac.jp/software/iiif-curation-viewer/demo/?curation=xxxと変わっていることがわかるでしょう。

コマ送りをすると、先ほどキュレーションリストに登録したキャンバスが順番に表示されていきます。これでキュレーションを保存し、公開することができました。

Curating List

(9)キュレーションにメタデータを付与する

読み込まれたキュレーションの各キャンバスにはメタデータを付与することができます。「★」ボタンの左にある、「キュレーションのメタデータ」ボタンを押すと、画面左手にメタデータを入力するための領域が現れます。

Metadata UI

表示された領域の「+item」ボタンを押すと、メタデータを入力するBOXが表示されます。Labelにはメタデータ項目、Valueにはメタデータの値を入力することが想定されています。

例えばここでは、各キャンバスにLabelとしてtitle、Valueとして浦島太郎を付与して見ます。入力が終わったら必ず「✓適用」ボタンを押してください。これを押し忘れると、入力が無駄になってしまします。

label and value

どのようなメタデータを付与するかは、皆さんがキュレーションを行う方針や意図によって異なります。メタデータ付与は皆さんがどこに注目したのかを明確にするためにも重要です。

(10)メタデータを付与したキュレーションをエクスポートする

メタデータを付与した状態で、キュレーションをエクスポートしましょう。メタデータ入力領域の下にある「エクスポート」ボタンを押すと、メタデータが入力された状態でキュレーションをエクスポートされ、新たなURLへ移動します。

また「エクスポート」ボタン右の▼を押すと、「上書き更新」オプションが表示されます。これを選択することもできます。上書き更新をすると、メタデータなしの状態のキュレーションのURL上書きする形でエクスポートが行われます。メタデータ入力をする前の状態のキュレーションを残しておくべきかを考え、選択してください。

Export


これで最初のキュレーションを作成することができました。エクスポートで生成されたURLによって、皆さんの作成したキュレーションを共有・公開することができます。次項では、作成したキュレーションを管理・修正する方法を説明いたします。

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キャプション画像
『浦しま』(CC BY-SA 国文学研究資料館所蔵)DOI:10.20730/200017771
『浦嶌太郎』(CC BY-SA 国文学研究資料館所蔵)DOI:10.20730/200019888